明けて372年。
なんですかな。
ぬか喜びさせて、落とす、ではないが。

東部国境ではサルマタイが西僭帝軍を振り切ってドナウ川を一息に渡河、遮るもののないところまで進撃。
ゴートと戦端を開いた西僭帝軍は、逆にゴートに都市まで押し込められて後退し、さらに東ローマ領を目指すと思われていたフン族がドナウ川を遡行して西僭帝領国境に達している。
お前ら、こっち来るなよ、もう。
だいたい、東でやってたときはフン族なんて早々にサルマティアあたりに定住して、時々ササン朝脅かしながら東欧諸国と争ってたのに、どこに向かう気なのか知らないが、一向に定住の気配を見せない。
ちなみに北アフリカ戦線では、レプティスマグナを落ち延びた守備隊は、カルタゴ付近でベルベルが立ち塞がって合流できなくなっており、ベルベルがカルタゴを包囲するのも時間の問題となっている。
転じてライン川方面では、サクソンの襲来に備えて高地ゲルマニアの守備隊を増強したら、引き返して低地ゲルマニアのコロニアアグリッピナを包囲してきたし、ブリタニアでは、海を渡るのか南下するのかは不明だが、ケルトの一軍が動き出している。

アレマンなんかも、地味に西ローマ包囲網を構築しつつある。
なんだか、半年ずれただけで、割と危惧した状況に近くなっていた。
パンノニアやノリクムは結構な黒字を出しているのだが、サルマタイが包囲するようなら守備隊にはどちらかが全滅するまで戦ってもらった後、都市を破壊して残余部隊を撤収させようかとも思ったが、部隊の消耗が国庫に与える負担の大きさを考えると、無傷で撤収したほうが無難だ。
サヴァ川の防衛ラインを構築するべく、サロナのスプリウスを動かそうと思って気づいたんだが。
彼はキリスト教徒であり、霊感があって清貧を実行し、キリストを磔にした十字架の破片を持っていて、さらに従者には1月31日の守護聖人である聖女マルチェラ(あるローマ執政官の未亡人で、アヴェンチノの丘で修道院を開設したらしい。
んな人知らんがな)を従えている。
有能な指揮官だが、一族と将軍含めて一番改宗力がある男である。通常のキリスト教徒のターン改宗力は5%なんだが、彼は50%である。
通常の十倍の速度で領民が改宗してしまう。
もはや
戦う宣教師、
一人テンプル騎士団である。
そんなわけで、なんかサロナの治安が悪いなと思っていたら、ちょっと前まで100%ソル・インヴィクトゥス・ミトラスの信者だった領民のほとんどが、隣接地域と神殿による改宗力を遥かに上回る一人テンプル騎士団の影響でキリスト教徒になっていた。
治安悪化の原因は宗教対立である。
なので神殿を壊した途端、統治者の信仰が公的宗教になったので一気に治安が安定した。
めんどくさい奴らだ…。
スプリウスには、サヴァ川沿いの橋や浅瀬の南岸に、要塞や見張り塔の建築を進めさせていく。
東ローマとの国境側にも見張り塔くらいは作りたいところだが、急ピッチでリーメス構築しなければならないので、後回し。
橋の北岸にあった要塞は破棄し、南岸に作った要塞にアクインクム守備隊を収容。この守備隊を、各要塞の守備兵に流用することに。

ゲルマニアでは、狩猟兵、騎兵、キールや徴募の槍兵からなる包囲軍を、アウグスタトレヴェロルムから将軍とサルマタイ騎兵を派遣してコロニアアグリッピナの守備隊とで挟撃、戦力的にかなり劣勢だったが快勝した。

北アフリカ戦線では、ベルベル軍がカルタゴを包囲したら同様に挟撃するべく、レプティスマグナから撤退してきた守備隊には引き続きカルタゴに向かわせることにした
ターン間で、コーカサス地方からさらに北進を続けるササン朝から同盟を打診してきたので承諾。

しかし、ロクソラニがそのうちササン朝に故郷を追われそうな予感がひしひしとするんだけど。
冬も引き続きリーメス構築がメインだが、サルマタイが何故かせっかく用意したアクインクムを素通りしてドナウ川を北へ渡河、クアディ族領へ侵入して優柔不断のヴァンダル族と開戦に及んだ。

もしかして、サルマタイは戦う相手が欲しいだけなのか?
そしてドナウ川東岸のヤジグ族領では、西僭帝軍とゴートとの戦争に、フン族までが参入、もうこいつら何がしたいかわからない。
ひとつ言えることがあるとすれば、移民軍団同士は『強敵』と書いて『とも』と読む間柄であることが推測されるくらいか。
たぶん、
強いけど馬鹿なんだろう。
北アフリカでは、ベルベルが怖気づいたのかカルタゴを包囲することなく撤退。
皇帝は北イタリアに到達、現首都ラヴェンナ(ローマは叛乱起こさせたため首都の座を降りた)周辺の盗賊が目に余るので、ローマから新設軍団の一部を呼び寄せ、これの排除を開始する。
盗賊と言う割には、退役したコミタテンセスのベテラン傭兵とかも混じっていて、ある程度の戦力がないと返り討ちに遭いかねないのは勘弁して欲しい。
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